HISTORY
開発秘話
History
誕生秘話
はじまりは、28年前でした。
第1章:使命
時は1996年。橋本は当時24歳。当時居酒屋の店長でしたが、30歳を迎える岐路に立ち、これからどう生きていくか迷う日々。
そんな中、導かれるようにある草鞋(わらじ)職人に出会いました。伝統を継承し、職人道を極め、信念をもって草履を作り続けるその姿に橋本は心を打たれたのです。
自分もこんな風に、と考え、頭に浮かんだのは「江戸時代、ふんどしを締める男らしい姿」。こうして橋本は、この「大和魂」を復活させたい、という熱い想いを持つようになりました。
第2章:ふんどしの魅力
なぜ橋本は「ふんどし」を思いつき、魅力に感じたのでしょうか。彼は3つのエピソードを耳にしていました。
まず、ふんどしには「緊褌一番(きんこんいちばん)」という言葉があります。緊急の時にはふんどしを締めてかかれ、という意味です。まさに現代における「勝負パンツ」です。
また、ふんどしを締めるという所作は、骨盤矯正ベルトのように体幹を整え、背筋を伸ばし、気持ちまでピシッと整えてくれるものでした。
そして、いろんな国の歴史を見ても、色形は違えど、男性は「ふんどし」のスタイルでした。様々な国で自然に発生し使われてきたということは、それほど人間にとって理にかなっていたのでしょう。
橋本の頭の奥深くで、こうした「ふんどしの素晴らしさ」が眠っていたのです。
第3章:ふんどしvs.現代下着
そしてそのまま「現代の下着」について研究し始めました。
世の中の主流である「ボクサーパンツ」はスタイリッシュでかっこいいのですが、ピッタリとフィットして安定する分、血液やリンパが集中する大切な鼠径部を圧迫してしまいます。実はAV男優もボクサーパンツは撮影時に履き、普段はゆったりと解放されるトランクスを履くとのことです。
そして「トランクス」は、下半身がかなり解放されるのですが、やはり全く支えがない分不安定。特に夏場は男性ならではの不快感が生じてしまいます。
そこで「ふんどし」です。昔のもの、と侮ることはできません。ボクサーパンツのように鼠径部を締め付けることもせず、かといってトランクスとは違い下からハンモックのように支えてくれる…こうして橋本は「ふんどしパンツ」の研究開発にのめり込むのでした。
第4章:壁
橋本は下着づくりに関して全くの素人。そんな中でも、建築図面を書いたことがあったため立体の下着を平面から企画し書き上げることは得意でした。
しかし「生地探し」だけは大変苦労しました。
今までにない斬新な色やデザインにしたいと考えていたのですが、今とは違いまだネットがない社会。生地屋を一軒一軒まわってもピンとこず。さらしを購入してタイダイ柄に染めたり、要らない反物(絹)をもらってきたり…しかし、洗うたびに生地が悪くなってしまったりと中々実用性と両立することができませんでした。
第5章:アフリカとの出会い
そんな中、趣味の太鼓の修行のためアフリカ・セネガルへ。これが橋本にとって更なる転換期となります。橋本はアフリカのエネルギー、力強さ、情熱、明るさ、優しさ…とても多くのものに触れました。
アフリカの人々はとにかく明るくエネルギッシュで、実はとても綺麗好きでおしゃれでした。彼らと共に過ごす中で、あることに気が付きました。アフリカでは、多くの人が派手な服を着ます。そして、このポップな色や柄が自分も含めた人々の気持ちの高揚につながっていることを。
「ここにあったのか!」橋本は開発中の「ふんどしパンツ」を思い出しました。あれだけ探し回っても見つからなかった生地が目の前にあったのです。このアフリカのエネルギッシュなパワーを、身体の一番近いところで身に着けるべきだ。そう感じ、早速日本に持ち帰ったのです。
第6章:トロップパンツの誕生
こうしてアフリカが転換期となった「ふんどしパンツ」は、アフリカ語で「最高」を意味する言葉を引用し、「トロップパンツ」と名付けられました。
この時橋本42歳。人々の心を高揚させるだけでなく身体に関してもしっかり知識と経験を!と仲間を頼りに整体師として学び、経験を積み始めました。
そして、整体師という身体のプロとなり知識を身に着けたことで、トロップパンツが身体にもたらす効果(ひもで結ぶことで体幹を整えること、鼠径部を締め付けずリンパや血流を解放すること)を確信したのです。
トロップパンツは、この時にやっとはじめて橋本が納得する第一号として完成されたのです。始まりから実に28年間の年月が経っていました。
最終章:販売開始。未来へ。
実は完成当初、人にばれないようにばれないように、隠しながら手渡し販売をしていました。まだブランドとしてスタートしたばかりで立場が弱く、盗作などを防ぐためまだ動くことができなかったのです。
その後2021年、ついに商標登録や意匠登録が完了し、満を持して世に出されました。
そして現在、ここがスタートラインです。橋本の夢は「大和魂の復活」です。
トロップパンツという名前を男性下着界に並べるのです。そして、より多くの人に使用してもらい、この大和の文化を後世に引き継いでいくのです。
品質改良、販路拡大…皆さんがこれを読み切った今でも、橋本はまだまだ挑戦し続けています。応援者も現れています。
皆さまもトロップパンツと橋本のこれからの歴史を応援していただけますと多幸に存じます。